【やるべきこと】に情熱が持てなくなったら

こんにちは、葵優太です。

今日のセッションでは、やるべきことに情熱が持てなくなってしまった、というご相談をお受けしました。

実は、これはとても良いサインなのです。

しかし、通常はこれを良いサインとは受け止めないでしょう。

なぜ、これが良いサインなのでしょうか？

まず、やるべきこと、情熱、このふたつを説明します。

やるべきこととは、プランや計画を指します。つまり、頭で考えている目的であり、思考です。

そして、情熱とは、何かを体験したいという気持ち、感情です。

例えば、自分が憧れていた美容師という職業について働いているなら、美容師になりたいという情熱があり、そのためにやるべきことを計画的に実行した結果、理想を手にしたと言えるでしょう。

しかし、情熱はいつ、どのように変化するか、誰にもわかりません。

ある日気づいたら、今までのように美容師という仕事に情熱を持てないことに気づいた、ということもあるわけです。

情熱、つまり感情は理性や計画性には無関係に動くエネルギーです。

コントロールすることもできず、予測することもできません。そして、それで良いのです。

しかし一方では、思考は合理性や計画性を重視します。

そのため、感情がすでに美容師という仕事に飽きてしまったとしても、なんとかそれを継続させようとします。

せっかく手にした仕事や経験、収入を棒に振るメリットが見いだせないからです。

このようにして、感情と思考の対立が起きると、内面の葛藤が生まれます。

これはかなり苦しい状態として感じるかもしれません。そして、葛藤を長く続ける必要もありません。できるだけ早めに収めるのがベストです。

葛藤を収めるためには、どうしたら良いでしょう？

結論から言えば、情熱の赴くままに進んでゆくことです。

情熱自体も、とても素晴らしい感覚ですが、それは私達をさらに喜ばしい体験へと導く役割を持っています。

それは、生きているという実感や、しみじみと味わう充実感、このために生まれてきたという感覚をもたらす体験です。

そうしたものは、情熱の導く先にあります。

 

思考では、このような体験へと導かれることはありません。

思考が導くのは、安定、安全、安心、メリット、持続性など、ある程度計算できるものですが、あくまでも「ある程度」です。

自分が幸せになるための目的地を決めるのが情熱なら、思考はそこへと至るためのルート設定をするナビゲーションシステムです。

ナビゲーションシステムが目的地を決定してくれないように、思考では幸せな目的地を決定することはできません。

また、情熱だけでは、何をどうしたらよいかわからないでしょう。

幸せになるためには、情熱と思考の両方を組み合わせて、上手に使いこなす必要があります。

私たち現代人は、思考で物事を比較し、判断し、決定することになれているので、情熱の活かし方がわからない場合があります。

では、情熱をうまく活かすには、どうしたら良いのでしょうか？

情熱の性質を知ることです。情熱は思考や理性では決してコントロールできず、予測さえできません。

そういう意味では、自分のものでありながら、自分ではないような感じがするかもしれません。

しかし、その感覚は、思考と一体化してしまっているときに強く出る感覚であり、情熱と一体化すれば、そのような感覚はなくなります。

情熱は一体化し、信頼し、身を委ねる必要があります。そうしなければ、そのエネルギーを上手く活かせません。

それは、恐ろしいことでもあり、魅惑的なことでもあり、まさに情熱的な感覚です。

誤解のないように言いますが、情熱が全て、必ずしも激しいものではありません。

例えば、花壇に花を植える、クッキーを焼く、こうした情熱は激しいものではありません。しかし、それらもまた、静かな情熱なのです。

情熱に導かれたら、次に必要なのが行動です。身体を使って、自分の情熱をこの三次元の世界で表現し、体験し、味わうのです。

もし、それらを表現したり行動するのに必要なら、そこで思考の出番がやってきます。

初めてクッキーを焼くのなら、焼き方を本やインターネットで調べる必要があるかもしれません。それは思考の役割です。

このようにして、情熱、思考、行動が理想的につながるとき、人生は情熱的に流れ始めます。

情熱を感じて、それを表現すべき方法を考えて、行動に移す。

感情と思考と行動がそれぞれの役割をしっかりと果たしつつ、協力し合うとき、人生は幸せを生み出します。

情熱はありとあらゆるものに価値を見出します。

庭の草むしりから、クラシックコンサートへ出かけること、理想の仕事で働くことや、一日の終りにゆっくりとお風呂に浸かること。

情熱にとって、そこに優劣はなく、優先順位もありません。今、情熱を感じていることが、最も価値あることです。

今ある情熱を、未来にとっておくことはできません。過去の情熱を掘り返して、蘇らせることもできません。

情熱は成果とは無関係です。

情熱あふれる体験が、必ずしも、思考が誇りに思うような成果につながるわけではありません。

良き思い出になることはありますが、思い出と情熱はまた、違ったものです。

情熱とは、今その瞬間にしか存在しない生命の輝きの「可能性」のようなものです。

「可能性」といったのは、それを表現し、体験しなければ、それは生まれずに終わるからです。

情熱を死なせてしまったとき、私達は時々、後悔としてそれを体験します。

すべての情熱を活かし切ることはできないかもしれません。

しかし、いつでも情熱を感じようとする姿勢を持つことはできます。

今、この瞬間、私の中を流れて、外の世界へと表現されることを願っている情熱は、何なのだろう？

私に体験されたがっている情熱は、どんなものだろう？

そんなふうに感じながら生きる人生もまた、楽しいものだと思います。

葵優太

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