9月のセッション 2
リーダーとして、部下と良いコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか、というご相談も多いです。
今回のご相談者は、初めて上司の役割を任されたという男性。
今年から新しくチームを任されたものの、部下がみんな女性で、上司としてどのように声をかけたらいいか分からないとのことでした。
リーダーとして部下の方に声をかける際に心がけたいのは、質問し過ぎないこと、でしょうか。
もちろん、部下の方に関心をもつことは良好なコミュニケーションに不可欠です。
ですが、上司という存在は、部下からすると何となく緊張する相手です。
その相手からあれこれ質問攻めにされると、どう感じるでしょうか。
おそらくプレッシャーを感じてしまうことも多いでしょう。
質問とは、あなたに感心を寄せていますよ、という好意的なサインにもなりえますが、関係によってはプレッシャーを与える行為にもなりえます。
では、どうすれば相手の緊張をほぐして、リラックスした関係に変えられるでしょうか?
それは、自分のことを話す、です。できれば、自分の弱み、失敗談、打ち明け話など、ちょっと恥ずかしい話を話すのです。
こうした話は、自分の弱みを相手にさらけ出すことになるので、勇気が必要になります。
でも、弱みを見せてくれた相手に対して、人は安心します。
弱みを見せてくれた=この人は自分を警戒していない、信頼してくれている、と感じられるからです。
質問がプレッシャーを与える行為だとするなら、打ち明け話はリラックスを与える行為と言えるでしょうか。
実際、ベテランの上司ほど、日頃のくだらない雑談を上手に使い、部下をリラックスさせつつ、信頼関係を育てています。
言い換えると、隙を見せるのが上手なのですね。
はっきり言えば、まったく隙のない上司は部下にとってプレッシャーです。
部下がリラックスして働ける環境を整える、という観点から見るなら、上司にはある程度の隙が必要と言えるでしょう。
実はこれ、あらゆる人間関係に活用できます。
親子、恋人、夫婦、友人、どんな関係でも、ある程度の隙があった方が、お互いにリラックスできます。
自分の隙を笑って披露できる余裕がある人は、相手の隙も笑って許せる、そんな雰囲気を醸し出しています。
そんな相手を目の前にしていると、安心を感じて、自分も隙を見せてみようかな、と思えるでしょう。
隙と隙が生み出すコミュニケーションの中に、様々な本音が見えてきます。
リーダーとして、部下の思いや本音ををより良く理解したい、そんな誠実な願いを持つ方にとっては、隙を見せるコミュニケーションが参考になると思います。
葵優太
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