9月のセッション 5
他人からの声は、自分の心の声。
他人からの声や意見に悩まされている場合、この法則を活用すると解決がスムーズに進みます。
今回のご相談者は、仕事の面で上司や同僚から非難され、心を痛めている男性でした。
お話を詳しくお伺いしてゆくと、誰よりもまず、自分自身が自分を差別し、裁いていることが強く感じられます。
このことは、今回のご相談者にかぎらず、私たちの多くに見られる傾向だと感じます。
実は、自分に対して一番厳しく、ときに意地悪なのは、自分自身です。
客観的に観察すると、そのことがよくわかります。
例えば、よくできている、うまくやっていることに対しても、当たり前だという態度で接しています。
それを評価する、尊敬する、感謝するという態度はあまり取りません。
客観的で適切な評価は、自尊心や誇り、自己評価を育てるのにつながりますが、できて当たり前という態度を続けると、やる気が出なくなってゆきます。
反対に、未熟な面や失敗した出来事に関しては、容赦なくダメだという判定を下すことが多いようです。
それらを分析し、成長につなげるという過程を無視して、ただ責める、裁くだけでは、自分自身が萎縮してしまうでしょう。
つまり、私たちの多くは自己コントロールが未熟だ、と言えるでしょうか。
そして、そのような自分への態度が、他者という鏡に映り、他者の言葉、態度として自分に反射してきます。
ですから、自分を肯定的に認めている人ほど、他者から肯定的な態度で迎えられ、良好な人間関係に恵まれてゆきます。
その逆もしかりです。
このことに気づけば、他者からの批判に対して、まずすべきことが明らかになります。
それは、自分を肯定的に認めること、非難し、否定し、裁くのをやめること、です。
自分を変えれば、他者との関係は必ず変わります。
反対に、自分を変えずに、他者だけを変えようとしても、失敗します。
なぜなら、他者は自分の鏡であり、自分の態度をそのまま反映してくるからです。
このことを理解し、自分に対して愛と尊敬のある態度で接すると、問題は解決してゆきます。
その上で、相手に自分を批判させない努力も必要になります。
具体的には、相手の批判に対してしっかりとしたコミュニケーションをして、改善を要求することです。
自分を愛するということには、自分を守るという行為も含まれます。
また、相手に自分を傷つけさせる行為は、その相手が、相手自身を傷つけることを助けてしまいます。
このようなお互いにとってマイナスのコミュニケーションは、すぐさま改善する必要があります。
具体的方法としては、自分の気持ちを伝える、相手の真意を問いただす、その中でお互いが本当に求めているコミュニケーションを探ります。
今回のご相談者は、何度も受けてくださっている方なので理解も早く、解決のツボをしっかりと理解してくださいました。
他人からの声は、自分の心の声です。
肯定的な声が聞こえてきたら、遠慮や謙遜の代わりに感謝して受け取り、自己評価へつなげるのがおすすめです。
否定的な声が聞こえてきたら、自分の心と向き合い、そこにある否定的な声を聞き、変えてゆきましょう。
その度ごとに、人生は確実に、しあわせで穏やかなものへと変わってゆきます。
葵優太
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