7月のセッション その6
人付き合いが苦手、という悩みの相談も多く寄せられます。
本日のご相談者も、10代の頃から人と打ち解けられず、深い関係を作れないとおっしゃる方でした。
看護師の仕事をしているが、コミュニケーションが苦痛で仕事をするのが難しくなっている、というのが大きな悩みです。
実は、コミュニケーションと一口に言っても、その種類は実に様々です。
仕事、夫婦関係、友人関係、親子、それぞれ求められるコミュニケーションの質も量も深さも違います。
コミュニケーションが苦手だと感じている人は、こうした種類の違いを知るだけでも、コミュニケーションがだいぶ楽になることがあります。
例えば、仕事に求められるコミュニケーションは、仕事をスムーズに進めるための意思の疎通です。
仕事をするために、自分の意志を伝え、相手の意志を理解できれば問題ありません。
逆に言えば、それ以上のコミュニケーションは必要ありません。
ですが、職場でのコミュニケーションが苦痛だ、という方の場合、詳しくお聞きすると職場での雑談が苦手だという場合があります。
この雑談というコミュニケーションは、仲間同士のつながりを確認するという種類のコミュニケーションです。
これは、仕事のためのコミュニケーションとは違い、よりレベルの高いコミュニケーションです。
ただし、仕事をスムーズに進めるためには、必ずしも必要ありません。
仕事をするためのコミュニケーションと、職場の仲間と仲良くなるためのコミュニケーションは違うということになります。
仕事をするためのコミュニケーションができなくては、仕事に支障をきたしますが、仲良くなるためのコミュニケーションができなくても、働くことはできます。
両者の区別をつけたうえで、もし、仲良くなるためのコミュニケーションが苦手なら、それを改善するための方法を知り、練習すれば良いと分かります。
ですから、コミュニケーションに悩んでいるなら、それはどのような種類のコミュニケーションなのか、それは本当に必要なのかを知り、その上で必要な練習を重ねることで、改善できます。
今回のご相談者の方も、働くためのコミュニケーションは問題なくこなせていました。
その上で、雑談という種類のコミュニケーションを上手にこなすためにはどうしたらいいか、その方法をお伝えしました。
コツは、相手に意識を向けること、です。
コミュニケーションが苦手な人ほど、相手に意識を向けていません。
では、どこに意識を向けているか、それは自分自身です。
何を喋ったらいいのか、こんなこと言ったら気を悪くするだろうか、変に思われないだろうか??
これは全部、自分のことだけを考えている意識です。
こういうことを考えている時は、相手に意識を向けていません。つまり、相手の話を聞いていないのですね。
相手の話を聞いていないのでは、良いコミュニケーションは成立しません。
良いコミュニケーションには、相手の話をしっかり聴くという態度が、絶対に必要不可欠です。
このことを知るだけでも、コミュニケーションスキルは劇的に向上します。
その他にも、コミュニケーションを上達させるスキルはありますが、これにまさるものはないといえます。
コミュニケーションに悩んでいるなら、自分のことを考えるのはやめて、相手に意識を向けることを試してみてください。
きっと、うまくいくはずです。
葵優太
コメントを残す