4月のセッション 1
「今の自分を、受け入れる」
これができれば、殆どの悩みは消えてしまうかもしれない。
それぐらい、この「受け入れる」効果は大きいと感じます。
たとえば、行動的になれない、やる気が起きない自分がいる。
そんな自分に苛立ち、責める時、とても苦しく感じるでしょう。
そんなとき、受け入れてみる。
行動的になれない、やる気が起きない自分がいる。
ああ、そうなんだ、今はそういう状態なんだ、と自分を受け入れてみます。
現実にそういう自分がいる。
良くも悪くもない。
ただ、そういう自分がいる。
受け入れるとは、言葉を変えるなら、今の自分を観察し、その結果を受け止める、ということです。
自分の身長は165センチである。
体重は55キロである。
単なる事実を認め、受け入れる。
同じように、今の自分の状態、何を感じているのか、何を考えているのか、体はどんな状態なのか、
単なる事実として認め、受け入れる。
やってみると、意外に、落ち着きます。
なぜでしょうか?
そこには抵抗がないから。
自分の現状に抵抗しないから、落ち着き、穏やかになれる。
逆に言えば、自分の現状を否定し、抵抗しているとき、大きなエネルギーを消費し続けます。
気持ちが焦り、思考は混乱し、体の調子も乱れるかもしれません。
しかも、どんなに否定し、どんなに抵抗しても、現状は変化しません。
現状は変わらず、存在し続けます。
良い意味であきらめて、今の現状を受け入れる。客観的に観察し、認める。
ああなるほど、今、自分はこんな状態なんだ、と受け入れられた時。
死にものぐるいで抵抗していたときには思いもしなかった、落ち着き、穏やかさが訪れます。
受け入れるという姿勢は、もうひとつ、大切なことを教えてくれます。
どんな「現状」も、それ自体は悩みではない。
どんな現状も、それが自動的に悩みを生み出すことはありません。
現状を否定した瞬間に、悩みが発生します。
お金がない。
仕事がない。
健康に不安がある。
恋人がいない。
それらは単なる現状です。
いやだ、耐えられない、ありえない、と否定した瞬間、そこに悩みが生まれます。
ああなるほど、自分は今、そういう状態なのだ。
抵抗なく受け入れる時、不思議な穏やかさが流れます。
この穏やかさにいる時、変化が生まれます。
今の状態でも特に問題もないけれど、できれば変えてみたい。
そんな軽やかな動機で行動を起こす時、最もスムーズかつスピーディに物事が進みます。
今の状態なんてありえない、絶対に嫌だ。逃げ出したい。
そんなとき、信じられないほどの苦しみを味わい、莫大なエネルギーが必要だと感じます。
仕事なんて嫌だ、行きたくない、人生の浪費だ。
そう思い続けるほどに、仕事が地獄になります。
そうか、私は仕事が嫌なんだな、嫌いなんだな、行きたくないんだな。
そんなふうに受け入れてみる。認めてみる。自分の心の声を聞いてみる。
ふっと楽になる、力が抜ける感覚がそこに生まれます。
そうか、まあ、とりあえず行ってみようか。
そんな気持ちが、ふっと湧いてくるかもしれません。
今の自分を受け入れた時、必死に求めていた何かが、ふっと得られる。
必死に探していたものを、手に握っていた、そんな感覚です。
受け入れることの、もうひとつのメリット。
それは、今を受け入れたとしても、今よりに悪くなることはない、ということです。
安心して受け入れてみてください。
葵優太
“あきらめる”=“明らめる(明らかにする)”と聞いたのを思い出しました。
自分本来のエネルギーと、それを押さえていたエネルギーが正しく合わされば、自分が思っているよりはるかに凄いちからになるということですね。