7月のセッション 2
「感情はコントロールできない」
というと、びっくりするかもしれません。
ですが、これは事実です。
もう少し正確に言えば、「生まれた感情は、無かったことにはできない」となります。
これを知らないばかりに、実に多くの方が自分の感情に振り回され、悩み果てています。
悩みとは、感情の処理がうまくいかない時に、起きる現象だからです。
では、生まれた感情はどうしたらいいのでしょうか?
答えはシンプル。感じること。それだけです。
誰かに腹が立った。
どうしたらいいでしょう?
ああ、私は今、腹が立っているんだな。
怒ってるんだな。
そんな風に、ただ感じるだけでOKです。
例えば、スーパーのレジの順番待ちで、自分の前にオバちゃんが横入りしてきた。
普通なら腹が立ちます。
そんなときには、大いに腹を立てていいのです。
自分の心の中で、しっかり腹を立てる。怒りの感情を感じる。
ああ、私は今、けっこう腹を立ててるんだな、と認めましょう。
それだけでOK。
すると、何が起きるでしょうか。
怒りがだんだん、確実に、消えてゆくのが分かるます。
まるで、パンパンに膨らんだ風船の空気を、スーッと抜いてゆくように、怒りがしぼんでゆくのです。
感じれば感じただけ、怒りの空気は抜けてゆきます。
そして、すっかり抜けきった時、あなたに訪れる感情があります。
「まあ、いいか」
もはやあなたは、その出来事にこだわっていません。怒りは消え、気持ちは穏やかです。
生まれた感情は、感じることで消えてゆく。
感じることでしか、それを消すことはできない。
しかし、残念ながら、多くの人が感情に対してやるのは、逆のことです。
思考を使って、感情を無視する、封印する、目を背ける。
怒りを感じた時には、大抵このように考えます。
いや、わたしは怒ってなんかいない。
こんなことで怒るなんて、みっともない、恥ずかしい。
怒るのは悪いことだから、怒ってはいけない。
人の過ちは、許すべきだ。
結果はどうなるでしょうか?
全部失敗します。怒りの感情は少しも消えません。
なぜなら、生まれた感情は感じることでしか消えないから。
じゃあ、消えなかった感情はどうなるのか?
お腹の中にどんどんたまります。
僕がお客さまをヒーリングをすると、高い確率でお腹がいたいと感じます。
それは、この「溜まった感情」のエネルギーのせいです。
怒り、悲しみ、恨み、憎しみ、嫉妬・・・
生まれたものの、感じてもらえなかった感情たち。
彼らはみな、お腹の中にどんどんたまります。
そして、「感じてくれ、感じてくれ」と声を上げ続けます。
・・・怖くなってきましたか?(笑)
でも、大抵の人は自分の感情をこのように扱っています。
そして、溜まった感情に苦しめられています。
自分の感情に嘘はつけません。
生まれた感情を感じないまま溜めておくと、そのツケが回ってきます。
感情は、感じることでしか、それを消すことはできないのです。
人は生きている限り、感情を生み出し続けます。
日々の出来事に対して、常に感情を生み出し続けます。
それが生きるということだからです。
だからこそ、生み出した感情は、きちんと処理する必要があります。
息を吸ったら吐くように、食事をしたら排泄するように、感情を生み出したら、感じる。
息を吸ったまま吐かなければ、窒息します。
食べたまま出さなかったら、病気になります。
感情を感じることをガマンしても、心や体が病気になります。
だから、どんな感情も、感じてあげましょう。
ネガティブと呼ばれる感情も、静かに、優しく、その声を聞いてあげてください。
それは本来、あなたをしあわせに導くために生まれてきたのです。
感情をしっかり感じ切った時、その真実が見えてきます。
なぜ、自分がこのような苦しい感情を感じる必要があるのか?
その答えは、感情を感じ切った時にしか、見えてこないのです。
感情を感じるのは、時に苦しい作業です。
マラソンで息が上がったときのように。
熱いお風呂にガマンして浸かっているときのように。
肉体的に、しんどいのです。
だから、ついつい思考に逃げます。
感じるのを止めて、考えで感情を処理しようとする。そして、失敗します。
思考では、絶対に感情を解決できません。
考えても、気持ちは絶対に楽にならないのです。
むしろ苦しみが増します。
このことがわかっていると、ムダな苦しみを省けます。
感情で苦しみ、思考で苦しむ。これは二重の苦しみです。
あなたは今、何を感じているでしょうか?
焦り、不安、恐怖、いらだち、怒り、絶望。
喜び、穏やかさ、興奮、楽しさ、解放感。
今、あなたの感情が、あなたに囁いているメッセージに意識を向けてみましょう。
すると、びっくりするかもしれません。
自分がどれほどたくさんの感情を感じているか。
どれほど細やかな感情が、そよ風のように心を吹き抜けているか。
感情の大きな波、怒り、悲しみ、喜び、感動、それらが去ったあとに現れる、言いようのない穏やかな感情に気づくかもしれません。
穏やかさ、平穏、平和、静けさ。
感情の波が収まった時、私たちは自然にこの感情へと戻ってゆきます。
そして、この感情は心地よさを与えてくれます。
しあわせとは、なにか良いことが起こり、それに伴うポジティブな感情が感じられた時に、生まれると思うかもしれません。
それもまた、しあわせの一つの現われだと思います。
しかし、そうした感情が収まった時に、しあわせが去ってゆくとしたら、少し寂しい感じがしませんか?
でも、あらゆる感情の波が収まった時、そこに現れる穏やかさという感情。
それが幸せだとしたら、とても素晴らしいことが起こります。
何をしなくても、何かを起こさなくても、何かを求めなくても、しあわせはそこに在る。
感情の波を起こさなくても、しあわせはそこに在る。
喜びが去っても、悲しみが去っても、しあわせが姿を現す。
そんなふうに感じることができるようになります。
そのための方法は、あるのでしょうか?
もちろん、あります。
感情を感じること。どんな感情であれ、今、自分が体験している感情を、静かに、温かい気持ちで、感じること。
ただそれだけで、感情の波は穏やかに静まり、そして穏やかなしあわせが戻ってきます。
波が静まったあとの、鏡のような水面。それがこの穏やかさ=しあわせです。
そんなしあわせ、感じたことがない。
だいじょうぶ、なにも難しくありません。
感情を感じられるなら、誰にでもできます。
自分の感情に意識を向けてください。
そっと、その声を聞いてください。
思考で裁いたり、判断したり、解決しようとせずに。
ただ、ただ、感じてあげるだけです。
感情を感じ切った時、心がすっきり、晴れやかになるのが分かるでしょう。
それは、とても心地よい感覚です。
一人では難しければ、セッションで僕と一緒に行いましょう。
あなたのハイアーセルフが、サポートしてくれます。
葵優太
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